ひとがひとになるために必要なこと
ひとの本能が引き出される自然と遊び、本物の食が支えるじょうぶな体
「シートン動物記」で有名なシートンは当時の大統領ルーズベルトとも交流のある有名なナチュラリストでした。彼は自然からどう学ぶのかを示してくれています。母親リスと幼い頃に別れた子リスバナーティルの物語は「ネコが育てたリス」の中に書かれています。親や仲間から生き方を学ぶ機会がなかったにも関わらず「じょうぶな体があり、なんでも楽しむ心があり、たくさんの強い本能」があったので、知恵を育み、生き抜くことができました。しっかりとした身体と本能が生きる力の根源なのではないかと思うのです。また、この物語の中で、「よい環境が本能を解き放つ」のだと示しています。シートンの教育の主張は「人は森の中で、自然の中で、本能を適切に引き出し、強く、たくましく、賢く成長できる」というものでした。
学生の頃から子どもと関わり、「ひとがひとになるために必要なこと」とは何か模索、研究してきました。自然学校をしていると子どもたちが自然の中で、「働く(お手伝い)、食べる、遊ぶ」が引き出されるのを毎回、目にしています。特に食べた後、心も体も開放されて一心に遊ぶ姿は、子ども本来だと感じます。無農薬のお米や野菜には栄養がぎっしり。子どもたちは本当によく食べます。本能が本物の食を要求するのだと思います。体が満足するので、しっかり遊べます。
里の家には、丈夫な体をつくる食と、本能を引き出す森や里という自然環境があります。そこに親同士、子ども同士のコミュニケーションが加わることで、こちらが想像する以上の質の高い時間が生み出されているのだと思います。僕にできることは限られています。ただ、そうした場をつくることはできます。これからも、場づくりを進めて多くの世代が交流、体験できる場にしていきたいと思っています。
多世代交流
じじ、ばばと子どもたちのふれあい
知恵のあるじじ、ばば。青森で農家をしていたおばあちゃんが時々、田畑を手伝ってくれます。根気があって、何をするにも早くてびっくりします。子どもたちもおばあちゃんが大好き。高齢者が懐かしい古民家で子どもたちと過ごすだけでも、痴ほうに効果があるのではないかと思っています。また、お母さんたちも高齢者から子育てや暮らしの知恵を学ぶ機会になると思います。
青年たちの居場所
自己肯定感を生む子どもたちとのふれあい
高校生や大学生がボランティアで参加してくれています。彼らは子どもたちの話をきちん聞き、子どもたちのフォローをしてくれます。生き生きとした表情が忘れられません。時々、学校でお話をさせて頂く事があります。ある時、自分に自信のある人は?と聞いたところ、60人中1人でした。子どもたちが憧れ必要とされる存在となることで、何かを取り戻すようです。そんな機会を増やしたいと思っています。
知的障がいの子どもたちと
自然が最高の癒し
画像はかつて実施していた知的障害児のための自然療法プログラム「森のやさしい時間」の一コマです。知的障害の原因のひとつとして食品添加物があると考え、徹底して自然食にこだわったランチを提供、午後は滝沢の森で散策と森遊びをするというプログラムでした。こうした療法プログラムを実施したいと考えています。体制が整えば、ひきこもりの子や心の病気を抱える方の受け入れも考えています。
日本の知恵をつなぐ
技と知恵を持つ職人とのトーク
この古民家を土台から直してくれた宮大工さんとトークをしました。大量生産・効率化の中で失われつつあるもの、失われてしまったものを次の世代へつないでいくことが、日本らしさ=アイデンティティにつながると考えています。そして、その知恵は必ずエコロジーであり、生き方、暮らし方の指針となると思っています。
Cafe & Work Shop
自然と暮らす自然な暮らし
アート、アロマ、ヨガ、フラワーアレンジなど様々なインストラクターや専門家とコラボして、体と心のバランスを整えるヘルシーなワークショップをしたいと思っています。6月に開催したパーティでは、アロマの方を呼びワークショップをしました。室内でも屋外でも心地いい時間と空間を提供したいと考えています。
ART & Movie
里山アートと自主上映会
田んぼと畑と森。里山の風景が揃った里の家で、フィールドを生かしたアート体験やインスタレーションなどの展示をしたいと考えています。また、子育て、自然、環境をテーマとする映画の上映会も企画していきたいと思っています。画像はスタッフのひとりが自主映画を製作、その上映会をした時の様子です。
積志地区土曜楽校 2002年11月~2005年3月
- NPO法人アクション・シニア・タンクの主催で開催。積志小学校でクラフトやアート、音楽、食、自然体験など多様な体験型プログラムを41回、実施しました。
自然保育 2004年11月~2006年12月
- 静岡県浜松市都田町にある「カクト・ロコ」の協力で、「田んぼの学校」を開催したことがきっかけで、2004年の秋から実施。3~10歳の子どもと親を対象にした食農と自然体験プログラムを月一回のペースで開催し、みやこだ自然学校の前身となりました。この頃から地域とのつながりを強め、後に活動を支える大きな力となりました
みやこだ自然学校 2005年4月~
- 文部科学省「子どもの居場所づくり事業」をきっかけにインテープリテーションを重視した環境教育プログラムとしてスタート。しかし、畑や田んぼのフィールドを管理するようになり、里山での循環型社会の可能性に気付き、「循環型社会のミニモデルをつくり体験する」プログラムへと転換。年間を通じた体験活動が認められ、いくつかの賞を頂くことができました。
2005年1月
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都田町の畑を借りて「都田の畑」として開墾。
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2005年4月
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文部科学省「子どもの居場所づくり事業」として「みやこだ自然学校」をスタート。(2005年度・2006年度)
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2005年4月
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「都田の畑」にコナラのどんぐりを植え、薬草やハーブを植える。
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2006年10月
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滝沢町にヒノキの人工林を借り、森の遊び場づくりを開始。
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2007年4月
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「知的障害児のための森のやさしい時間」スタート(~2009年度)。森の遊び場で小屋、遊具を設置、植生調査。
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2007年5月
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みかん農家の「滝沢あそび村」で石釜づくりを開始、12月に完成。
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2007年6月
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滝沢町の休耕田を借り「山の田んぼ」として田んぼを復活。
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2008年3月
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都田町の古民家の田畑を借り「里の家」として整備を開始。
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2008年度
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日本財団の助成を受け、備品などを購入。
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2008年4月
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自主保育サークル「まめっちょ」を受け入れ、プログラムに位置付け。「里の家」にまめっちょの畑を開墾。
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2008年5月
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「里の家」に雑木林に散策用の階段を整備。「森の遊び場」にデッキを設置。
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2008年6月
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「都田の畑」に地元天竜材の新月伐採の木で道具小屋を建築。
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2008年7月
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「滝沢あそび村」で石釜の屋根が完成。
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2009年1月
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「里の家」の休耕田の整備を開始。一部が復活。
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2009年5月
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「里の家」の休耕田にれんこん田を整備。
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2009年7月
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「里の家」でこんにゃく、お茶、山芋の栽培を開始。
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2010年3月
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「里の家」の耕作放棄地に栗としだれ桜を植樹。
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2010年4月
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「里の家」の休耕田に水路を再整備、田んぼが復活。
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2010年5月
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循環型の農法「里山農法」を本格的に導入。
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2011年度
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セブン‐イレブン記念財団の助成を受け、備品などを購入。
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2011年9月
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里山セミナー企画を2回、実施。
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2011年11月
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未来の地域循環社会「にっぽん里山MOTHER」の構想を発表。
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2011年12月
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eco japan cup 2011ライフスタイル部門 元気大賞入賞。
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2012年1月
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eco japan cup 2011セブンイレブン企業賞を受賞。
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2012年2月
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TBS「風の言葉」にて放送。(関東のみ)
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2012年3月
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オーライ!ニッポン大賞「フレンドシップ賞」を受賞。
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2012年4月
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里の家の古民家を年間使用契約。里の家の井戸に手押しポンプを設置。
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2012年8月
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緑の公募事業として「天竜グリーン・プロジェクト」を開始。
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2012年11月
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里の家の体験用の畑をガーデン化。里の家の古民家の土間床下収納を再生。
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2012年12月
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里の家にしいたけのほだ場を整備。
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2013年1月
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「こころを育む活動」奨励賞を受賞。
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2013年1月
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里の家の古民家の一部を解体、図書室としてリフォーム。雑木林に本格的な階段を整備。
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2013年度
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聖隷クリストファー大学附属こども園 里山体験受け入れ開始。
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2013年4月
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里の家に住居を移し、古民家の屋根、床、基礎、水廻り、電気関係などをリフォーム。
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2013年10月
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森の伐採を本格化、ツリーハウスづくりに着手。
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2013年10月
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浄化槽を設置、トイレを水洗化。
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2013年11月
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薪ストーブを設置。
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2014年2月
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太田川水系の水をきれいにする会環境保全講演。
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2014年度
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里の家の自然環境調査(昆虫、植物、野生動物)を実施。
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2014年4月
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浜松市の子育て支援ひろばの出張ひろばとして「わらべ」を開始。
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2015年1月
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eco japan cup & REVIVE JAPAN CUP ツインコンテスト2014 エコまちづくり大賞 受賞
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2015年度
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ものづくり理科地域支援ネットワーク浜松RAIN房(ツリーハウスづくり)
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2015年4月
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新しく3畝の畑を借りてかぼちゃ、蕎麦、大豆、小豆の栽培を開始。
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2015年5月
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都田の畑でタデアイを本格的に栽培開始。
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2015年9月
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生のタデアイを使い、生葉染めのワークショップを開催。
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2015年11月
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森の中にツリーハウスを製作。12月に森の中で完成記念ライブを開催。
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2016年1月
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3年前から一年に一回の侵入竹の伐採を続け、ほぼ整備が完了。
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2016年2月
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2年前から整備してきた果樹園への果樹等の植樹が完了。(柿、柚、金柑、デコポン、杏、ビワ、イチジク、ブルーベーリー、アケビ、桑)
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2016年度
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湖西市新所のグループと海の幼稚園を企画実施。
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2016年度
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ものづくり理科地域支援ネットワーク浜松RAIN 房(伝統農法と竹チップ)
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2016年9月10月
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愛知県設楽町にて樹木系アロマのワークショップ実施
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2017年度
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ものづくり理科地域支援ネットワーク浜松RAIN房(藍染、和紙、アロマ)
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2017年度
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静岡県森づくり県民大作戦企画実施。
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2017年度
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浜松市春野町アロマプロジェクト企画支援。
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2017年8月
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森林公園「森の家」とのコラボ企画「都田・川遊びと里の暮らし体験」実施。
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2018年度
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2階の床フローリング、階段工事を行いギャラリーを開設。
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2019年4月1日
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一般社団法人里の家として法人化。
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2019年度
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ビオトーブを整備、井戸前のデッキを製作、
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2019年9月
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ベジプランターガーデン、薬草園を整備。
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2020年度
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手仕事グループとして薬草ハーブ研究会、綿の時間、アロマラボ、コンフィチュールクラブがスタート。
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2020年9月
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アロマ製造施設、設備を整備。本格生産を開始。古屋を解体、干し小屋を整備。
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2020年度
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プログラムの集大成として養生カフェを企画、実施。
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2021年1月
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菜園部がスタート。焚き火場を整備。ツリーハウスを補修。
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2021年3月
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理想の森づくりに向け都田町内の二次林と人工林を借り受け、整備中。
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2021年4月
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指導者養成講座を開催。スタッフの増員と強化。
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2021年5月
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セブン-イレブン記念財団より助成を受けライフジャケット等を購入。
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2021年10月
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近くの3haの森を木地師の森として整備を本格的に開始。
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2022年2月
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焚き火場、畑の追加などのフィールド整備。
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2022年3月
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里の家の暮らしを紹介する映画制作のため撮影。
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