農法について

里山農法の畑

単純に里山の恵みを頂いているので「里山農法」と呼んでいます。自然の腐葉土がつくられる過程を畝間で再現する農法です。かつての里山では、落ち葉を田畑に鋤き込み、森の微生物の力で土を豊かにしてきました。こうした循環農法にすることで、野菜が元気に育ちます。もちろん、無農薬です。

森の生態系に学ぶ農法

雑草対策のため分解性のマルチを使う場合があります。今年は、伝統農法や炭素循環農法などを参考に、剪定チップを大量に使っています。剪定チップは里の家から10分のところに無料配布している事業所があり、そこからコンテナ200杯分を運びました。マルチ材として籾殻も知り合いの米農家から大量に運んでいます。

昨年同様、杉の葉と竹チップを有機資材として使います。スギの落葉はコナラやマツより、大気中の窒素をたくさん固定することが独立行政法人 森林総合研究所の研究で分かりました。
スギ落葉の分解過程における窒素固定活性が、コナラやアカマツのそれと比べて、50倍以上高いことを初めて明らかにしました。

スギの葉っぱは揮発性油分が多く、抗菌作用があるため、畑の菌を抑制する・・というのが、一般的な意見。しかし、枯れた葉っぱは匂いがしないということは、揮発してしまったと考え、使うことにしました。

竹チップについては、竹粉砕機を開発・製造・販売している丸大鉄工のホームページに詳しく書かれています。里の家には真竹と孟宗竹があり、毎年、出てきます。これを活用します。

薪風呂、かまど、薪ストーブからたくさんの灰がでます。アルカリ性なので、pHの調整に使います。また、樹木が吸収したミネラルを畑に戻し、野菜の栄養になります。

地域にあるものを使うのが、コスト面で大切です。求肥力の強いカボチャ、トウモロコシなどは牛糞堆肥を買使っています。近くの牛屋さんから安く買っています。

遠州の恵みを畑に生かす

牡蠣殻石灰+化石珊瑚+海藻(アオサ)でpH調整とミネラルを補填します。化石珊瑚はコーラルインターナショナル株式会社の方と知り合いになり、使ってみたいと思います。また、木材チップ+木酢でフルボ酸鉄をつくることができると知り、無料で頂いている木材チップと里の家の薪ストーブの煙から出る木酢で作ってみたいと思います。フルボ酸鉄はオーガニック栽培で注目され、重金属類の除去する効果もあります。

在来種・固定種を守る

自然学校の畑も在来種へと転換していく必要を感じ、昨年からほとんどの種を在来種・固定種にしました。在来種は私たちの先祖が私たちに残してくれた命をつなぐ遺産。それを残していくためには、栽培をして自家採取するのが一番です。人為的な交配が行われていない種「固定種」も大切です。長い年月をかけて自然淘汰され、その地域に合った野菜です。在来種・固定種の種にシフトしていくため、半分程度の野菜を自家採取し、苗を育てました。
地元では、光郷城 畑懐さん。他に野口種苗さん、高木農園さんなどがあります。

この他、防虫ネット、防鳥ネットを使っています。初期成長の遅い有機農法では、苗の防虫はとても大切です。これらは、風除けにもなり、苗が風でぐらつくのを防いでくれ、根の張りが良くなります。

無肥料の田んぼ

里の家の田んぼは都田川のすぐ近く。山の田んぼの水路は都田川へつながっています。都田川は浜名湖へと通じています。浜名湖の富栄養化が進み、肥料が原因とされています。このため無肥料とし、環境汚染にならないように配慮をしています。

湧き水で育てる

里の家の田んぼは一枚を除き湧き水で育てています。台地の縁から湧き出てくる水は冷たく透明です。山の田んぼも隣を流れる水路から水を引いています。いずれも自然の水です。

畑は合計約1.2反(1200㎡)



田んぼは合計6畝(600㎡)

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【混植】
混植の農法を取り入れます。混植は病気、害虫、連作障害を防ぐための農法で、長い経験に基づいて継承されてきた伝統農法のひとつです。自然の知恵と言えるかもしれません。自然界では、多様な植物が混植・混作状態にありバランスを保っています。田んぼに彼岸花が咲いているのを見たことがあると思いますが、彼岸花の根には毒がありネズミやモグラが避けると言われています。里の家の田んぼにも彼岸花があります。一般的にネギやニラ、ハーブなど香りの強い野菜と組み合わせます。組み合わせには多くの種類があって、作付けを考えているとまるでパズルのようです。

【輪作】
輪作については、ネットでも様々に取り上げられているので、ここでは説明しません。都田の畑、里の家、まめっちょの畑はともに3年の輪作。体験用の畑は、少量多品目です。畝間を広くとり、リスクを減らします。日当たりが悪い場所は冬期は休ませます。いちいち書類を見なくてもいいように主な作物を書いた札を立ててあります。里の家の広い段々の畑は、保存が効くもの、たくさん使う野菜、脱穀が必要なものです。畝間を狭くして、収量を上げ、雑草の余地を少なくしています。風通しが必要な大豆などは畝間を広くしています。

【木酢液・ニーム液】
炭を焼く時に出てくる副産物で、焦げた匂いがします。これを害虫や鳥が嫌うため、無農薬栽培には欠かせないものです。殺菌効果もあります。ただ、匂いが服に付いてしまうので、子どもたちの前で散布することはありません。ニーム液はニームという樹からとれる液を薄めたもの。虫が嫌がる匂いを出すことで知られています。殺虫剤ではないので、大きな効果は望めませんが、確かに虫が減ります。

メインのフィールドは里の家ですが、この他に都田の畑、滝沢にある山の田んぼを借りています。また、都田・滝沢には多くのスボットがあり、そこでプログラムやイベントを行うこともあります。滝沢付近の森を借りて、人工林の伐採・間伐を行ったり、天竜区の熊(くんま)で森林体験をすることもあります。

鷲沢風穴で洞窟探検

鷲沢風穴のキャンプ場で川遊び

滝沢キャンプ場にはトイレと炊事場

滝沢キャンプ場近くの仙巌の滝

常葉大学浜松キャンパス

都田総合公園でピクニック

天竜浜名湖鉄道で小さな旅

滝沢展望台の岩場で遊ぶ

恩塚山古墳

平安時代創建の須部神社

滝沢の木の橋、枕瀬橋

伝説から名付けた「白きつね公園」

文化財の滝沢の放歌踊り

縄文土器が見つかった滝沢鍾乳洞

国重要文化財の鈴木家住宅

国重要文化財の初山宝林寺

滝沢はみかんの産地

ぶどうの王様ピオーネ

かとう農園のいちじく収穫体験

はままつフルーツパーク時之栖

浜松市かわな野外活動センター

バードピア浜北(県立森林公園)

浜北の菜の花畑/ひまわり畑

浜名湖サンビーチで海藻拾い

静岡県の県有林で間伐体験

天竜区くんまで皮むき間伐体験

春野山の村でキャンプもしました

渋川でギフチョウ観察トレッキング